ニキビ(ざ瘡)

ニキビは正式名称で「尋常性ざ瘡」といわれ、一生のうち95%以上の方が経験する、最も身近な皮膚疾患といえます。顔だけでなく、前胸部や背部などにもよくできます。毛孔(毛穴)に一致して、紅斑や膿疱などの炎症性変化を生じている状態で、面皰(comedo)といわれる小さな黒点を伴っていることが多いです。通常思春期の皮脂分泌が増えてくる時期に発現しますが、20~40代でもホルモンバランスや生活習慣、寝不足を契機に男女問わずに起こります。最初は目に見えない毛穴のつまり(マイクロコメド)があり、毛穴の出口が詰まると、白ニキビ、黒ニキビといわれる面皰(コメド)の状態になります。毛穴の中で、皮脂が好むアクネ菌が増えると、炎症が起こり赤くなり、化膿すると黄色い膿をもつようになります。炎症が治まった後も赤みが残ることがあり、炎症後紅斑(ニキビ炎症後の赤み)といわれる状態や、炎症が強く起きると、皮膚の凹みなどを伴うニキビあと(ざ瘡後瘢痕)といわれる状態になります。
日本のニキビ治療は欧米と30年遅れている、と以前は言われておりました。その一番の理由がディフェリン(アダパレンゲル)、ベピオ(過酸化ベンゾイル)などのいわゆるピーリング剤が保険適応になったのが2014年、2016年とごく最近だからです。ベピオは当初ゲル製剤(ベピオゲル)のみ販売されましたが、ベピオローションという乾燥や赤みなどの副作用が出にくいタイプのローション製剤が2023年に販売され、ベピオウォッシュゲルという5~10分で洗い流すタイプも2025年6月中旬に発売予定です。
ニキビができ始める思春期の頃は皮脂の分泌も盛んになるため、1日2回の泡石鹸洗顔も基本にはなりますが、ニキビが少しでも出来たら皮膚科を受診することをお勧めいたします。先ほどのディフェリンやベピオ、またその合剤であるエピデュオなどを基本軸に治療をしていきます。ダラシンゲル、アクアチムクリーム、ゼビアックスローションなどの抗生剤の外用も赤い炎症を起こしたニキビには使用します。
また中等症以上のニキビにはビブラマイシン、ミノマイシン、ルリッドなどの抗生剤内服を症状に合わせて数週間~数か月行うこともあります。
欧米では中等症~重症のニキビにイソトレチノインというビタミンA製剤の内服薬が保険適応ですが、日本は現段階では保険適応ではなく、自費治療のみの取り扱いとなります。当院でも適応のある重症ニキビの方に提案させていただきます。のう腫型ざ瘡といわれるボコボコした結節のようなニキビがある方、通常の保険治療では改善しない難治な中等症~重症~最重症のニキビの方には良い治療方法です。
女性は避妊をしないといけない、献血はできない、定期的な採血が必要になる、くちびるの乾燥などはほぼ必須ですので、詳しい副作用などはクリニックで説明させていただきます。
当院ではサリチル酸マグコロールというピーリングも中等症以上の方には選択肢として提案させて頂きます。イソトレチノインの副作用が心配、なとであれば10分もせずに終わる簡単な治療ですが、効果的です。ひと月に1回を4~5回以上の継続をお勧めします。
まずは通常保険治療を数ヶ月~半年程度行っていただき、自費治療を相談することとなりますが、経過や症状によっては最初から自費治療をお勧めする場合もありますので、ご相談ください。

自費料金(税込)

イソトレチノイン 10mg 13,200円
20mg 16,500円
自費採血 5,500円
サリチル酸マグコロール 看護師施術1回 8,800円

手湿疹

手湿疹は皮膚科の中でも日常的に診る疾患です。湿疹が手にでやすいのは、手は日常生活の中で最も色んなものを触り刺激を受けるから、と言われています。汗や水、洗剤、食物、様々なものが刺激になっています。美容師さんや料理人などの職業病の手湿疹の方も多くいらっしゃいます。また洗剤や水をよく触る主婦湿疹と昔はよくいわれていました。
欧米ではアトピー性皮膚炎の一症状(アトピー性皮膚炎とはあえて疾患概念を区分しない)と言われているくらい、手湿疹はアトピー性皮膚炎の素因とも関連があると考えられています。保湿の塗り薬や外的な刺激を避ける手袋をする対応だけでは症状が軽快せずに、赤みや乾燥だけではなく、亀裂まで起こる方も珍しくはありません。ステロイド外用や保湿剤の外用塗布やステロイドのテープ製剤(エクラープラスターなど)、亜鉛華軟膏とステロイド外用の混合治療などが基本ではありますが、重症な方は光線治療のエキシマ治療も効果的です。数回~10回程度で改善することが多いですので、是非一度ご相談ください。

多汗症

以前はイオントフォレーシスという汗の管をつまらせる治療(1週間に1回を10回以上)や塩化アルミニウムという外用薬を自費処方薬として処方していました。
腋窩多汗症に対して2020年にエクロックゲル(容器をくるくる回してゲルを両腋窩に塗るタイプ)、2022年にラピフォートワイプ(1日1回ワイプで拭き取るタイプ)という外用薬が、手掌多汗症には2023年にアポハイドローションが保険適応になり、多汗症の保険治療の選択肢がぐっと広がりました。多汗症の方は人口の約5%ほど存在していると言われていますが、そのうち5%弱しか病院を受診していないというデータもあります。保険適応の外用薬でも半数以上の方が1ヶ月の使用で効果を実感出来ます。内服治療として全身性の多汗症に抗コリン薬であるプロバンサインなどがありますが、副作用などの注意も必要な薬です。
当院はイオントフォレーシスには対応しておりませんが、外用加療、自費ボトックス治療(腋窩)にも対応しておりますのでお気軽にご相談ください。重症の腋窩多汗症の方は保険ボトックス治療が出来ることもありますが、当院は保険のボトックス治療には対応しておらず自費のボトックス注射のみの扱いです。
日本皮膚科学会のQ&Aがわかりやすくまとまっていますのでご参照ください。

料金

腋窩ボトックス(自費のみ)
44,000円(製剤:ボツラックスのみ、100単位)

詳しくはボトックスの項目もご参照ください。

水虫、爪水虫

日本人の5人に1人が水虫「足白癬」、10人に1人が爪水虫「爪白癬」と言われているほど、水虫は身近で多い皮膚疾患です。特に靴の中が蒸れる夏に症状が悪化する傾向があります。水虫は無症状のことも多く、気づいたら爪の色が黄色や白色などに変色して気づいた、というケースも少なくありません。またバスマットなどを介して家族内感染も多く、家族で水虫の症状がある方がいる場合は、知らずにうつってしまうパターンも多いです。爪が水虫により変形しもろく弱くなってくると高齢になった時に転倒などのリスクにもなりますので、治療は必ず行った方がよいです。
水虫は抗真菌剤といわれる外用薬を1日1回数か月塗るのが基本的な治療にはなります。
爪水虫がある場合は内服加療が第一選択の治療です。ラミシール(テルビナフィン)、イトリゾール、ネイリンカプセルという3種類の内服薬が保険適応です。それぞれ期間や採血頻度、薬代の負担が異なりますので、それぞれの方にあった治療を提案いたします。ネイリンカプセルは副作用の観点から使いやすい薬で肝機能障害がまれに起こりますが、12週間の内服期間中に1回の採血で通常は問題ありません。
ラミシールやイトリゾールは併用禁忌や併用注意薬などがあり内服薬の確認が必ず必要です。ラミシールは1日1錠を6ヶ月以上は継続する内服薬となります。イトリゾールパルス療法は1日8錠(400mg)を1週間内服し3週間休薬する、という方法を3クール行うものです。いずれも肝機能障害などの副作用をみるため、採血が定期的に必要な薬になります。
内服薬治療が難しい方には爪水虫にもルコナック、クレナフィンという外用治療があります。市販の水虫薬によるかぶれも大変多くありますので、ご自身の判断での水虫市販薬で治療を開始することはお勧めしません。まずは水虫かどうか、皮膚科を受診し顕微鏡で白癬菌(水虫)がいるかのチェックをしてもらいましょう。水虫の薬である抗真菌剤はまれにかぶれが起こる外用薬ですので、通常2~3週間後をめどに一度再診してもらっています。また糖尿病がある方は定期的なフットケアとして水虫をチェックすることをお勧めします(蜂窩織炎の予防になります)。
水虫を放置すると、「体部白癬」といって、わきや鼠径部「股部白癬」などの体に赤みやカサカサなどの皮疹が出る体の水虫になることもあります。わきや鼠径部に辺縁がかさかさする赤い皮疹が出現した際には、皮膚科で早めに顕微鏡でチェックをしてもらいましょう。複数箇所に水虫の病変がある際には通常飲み薬での治療になります。

蜂窩織炎

顔面や下肢に発症することが多く、熱くはれ上がり、ひどいときは痛み(自発痛、圧痛)や発熱を伴い日常生活に非常に影響が出ます。微小な傷や、外傷、水虫の傷などからの細菌感染が多く、安静と抗生剤内服治療が必要になることが多いです。真皮深層~皮下組織の炎症ため、境界は不明瞭であることが多いです。悪化すると、水疱や膿瘍を形成することもあり、悪化時には切開排膿が必要になることもまれですがあります。水疱になると、後にびらんという傷の状態になってしまい外用治療も必要になります。ときに壊死性筋膜炎や敗血症になることもあります。悪化時には抗生剤点滴や安静のために入院加療が必要になることがあります。
外来で加療できる軽症~中等症のものは抗生剤の内服が治療になります。できる限り、安静やクーリングも行います。水虫を併発していないかを必ず下肢の蜂窩織炎の際には皮膚科でチェックをした方がよいです。皮膚のどちらかに赤みを伴う痛い発疹がある際には早めに皮膚科をご受診ください。

化膿性爪囲炎(ひょう疽)

手指や足の指の「爪の側面が赤く腫れ、痛くなる細菌性の感染」を、「化膿性爪囲炎」、別名「ひょうそ」といいます。指の側面のささくれを取ってしまった、むいてしまったことや爪を切りすぎた、きつい靴を履いてそこが圧迫された、などから起こることが多いです。炎症が悪化すると、爪周囲に黄色く膿がたまることがあります。膿がある場合には、医療用の滅菌針で穿刺し膿抜きをした方が早く治ります。
治療として抗生剤の内服、外用を行います。また化膿性爪囲炎と同時に、肉芽といって赤い盛り上がりができることがあります。陥入爪やその他の部位からの圧迫から起こる「毛細血管拡張性肉芽腫」という病態です。その際にはテーピング処置や、重症な場合は陥入爪の手術が必要になります。足の親指の爪は切りすぎないようにしてください。巻き爪になりやすくなります。症状にあった治療を提案いたしますので、ご相談ください。

かぶれ(接触皮膚炎)

かぶれもどんな方にでも起こります。化粧品かぶれ、染毛剤かぶれ、薬品でのかぶれなど何でも原因になりえます。かぶれの主体は皮膚の炎症ですので、原因の除去と早期のステロイド外用による炎症を抑える治療が必要になります。かゆみが強ければ抗ヒスタミン薬の内服や、腫れがひどい場合はステロイド内服も必要になる場合もあります。またかぶれに対しての原因検索も行ったほうが良い場合も多く、当院で対応していないパッチテストに関しては、必要に応じて総合病院にご紹介いたします。当院には佐藤製薬のパッチテストパネルがありますが、パッチテストは秋~冬の汗のかかない季節、また貼付後2日後、3日後、1週間後と1週間のうちで4回受診しなといけないため、日常生活制限や受診頻度が高くなる検査になりますので、予約制の検査になります。

乾癬

乾癬はまだ認知度が低い皮膚疾患かもしれませんが、皮膚にガサガサしたフケ(鱗屑)を伴う赤みがでる見た目にも非常に悩まされる慢性の皮膚疾患です。半分程度の方しか痒みを伴わないと言われています。
白人では2%の方に発症しますが、日本人は0.1%程度といわれています。2:1で男性に多く、20代と40代に好発しますが、全年齢で発症があります。表皮の炎症と角化細胞のターンオーバーの亢進が起こるため、皮膚が赤くガサガサします。原因としては免疫機能が異常亢進することといわれており、炎症性サイトカイン(IL-12,23,IL-17,TNFαなど)が病態を引き起こしていると考えられています。
私は東大病院に勤務した際に6年間ほど乾癬の専門外来を担当し紫外線治療や外用治療、生物学的製剤(バイオ、注射薬)の導入を多くの患者さんに行ってきました。関東労災病院も多くのバイオ症例がありました。乾癬の治療の進歩は皮膚疾患の中で最も目まぐるしく生物学的製剤(バイオ)が多数承認され、治療が革新的に進歩しています。大学病院では新規製剤の治験担当医師も経験し新規の薬剤が承認されるのを経験してきました。2025年6月現在、11種類の生物学的注射製剤が乾癬に対して保険適応になっています。
乾癬の治療は基本的にステロイド外用やビタミンD3製剤(オキサロール、ドボネックスなど)の外用療法です。現在はステロイドとビタミンD3製剤の合剤(mixされた製剤)も保険適応になっており、ドボベットゲル、ドボベット軟膏、ドボベットフォーム、マーデュオクス軟膏などがあります。
広範囲な皮疹の場合や、外用療法で難治の場合は、週に1回のナローバンドUVBやエキシマなどの光線(紫外線)治療も非常に効果的です。
ネオーラル(シクロスポリン)という免疫抑制剤やPDE4阻害薬であるオテズラも効果的なことがあります。また肥満の方は減量するだけでも症状が軽快する場合もあります。
乾癬は根治も目指せる疾患に変わりつつあります。乾癬の約10%の方が関節痛を伴う「関節症性乾癬」を発症することがあり、その際には生物学的製剤という注射治療を早めにしたほうがよいです(関節破壊は不可逆的なため)。当院は乾癬の生物学的製剤治療(注射治療)にはまだ対応していませんので、関節症状のある関節症性乾癬の方や、難治で、病変が広範囲の皮疹の場合には「乾癬専門外来」がある大学病院や総合病院へ紹介しております。お近くにUVBやエキシマを持つ皮膚科がなく遠方の大学病院や総合病院に通っていた、という方も当院で紫外線治療ができますので、お気軽にご相談ください。これまでの治療経過がある方は、紹介状を可能な限りお持ちください。

単純ヘルペス感染症(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)

単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の初感染、あるいは再活性化によります。
HSV-1は口腔や眼、生殖器に、HSV-2は主に生殖器に感染します。初感染の潜伏期は2~10日で、初感染では90%が不顕性感染(症状がでない感染)に終わりますが、ストレスや免疫低下で再活性化することが特徴です。ヘルペスは通常「痛みを伴う水ぶくれの集まり」で、かさぶた(痂皮)になり治癒することが多いです。口唇ヘルペスはHSV-1型のことが多く、成人の3割に発症経験があるといわれています。
性器ヘルペスは男性は亀頭や包皮、女性では陰唇、会陰部に好発し、小水疱や小潰瘍があり、激痛を伴います。初感染では2~4週間で自然治癒しますが、とくにHSV-2感染では、再発傾向が強いため、数週間ごとに皮疹を繰り返すこともあります。治療はいずれも抗ウイルス薬であるバルトレックスやファムビルを5日間内服することになります。市販のアラセナ軟膏などの外用薬もありますが、通常外用薬は効果が低く、症状がしっかりとしているヘルペス感染症は内服治療が適応になります。
1年に6回以上再発する性器ヘルペスには再発抑制療法という治療が保険適応になっています。
バルトレックス500mgを1日1錠、1年以上内服するという治療です。
またアトピー性皮膚炎のコントロールが悪いとカポジ水痘様発疹症という湿疹病変の上に小水疱が多発する疾患もありますので、こちらもHSV-1(ときにHSV-2)の初感染ないし再活性化といわれています。

水疱や膿瘍がある際には、単純ヘルペスかどうかをチェックできる単純ヘルペスウイルスキット(デルマクイックHSV)もあり、初診時や帯状疱疹など他の疾患との鑑別が難しい場合は使用することもあります。判定には5~10分ほどかかり、当日結果が分かります。臨床的に単純ヘルペス感染症が明らかな場合は保険適応ではありません。症状がなく、採血でヘルペスの抗体を調べたい場合も自費診療となります。

帯状疱疹

帯状疱疹とは?
帯状疱疹は子供の頃に初感染した水痘帯状疱疹ウイルス(VZV:Varicella-Zoster Virus)が神経節に潜伏感染し、加齢、睡眠不足や疲れ、免疫低下、基礎疾患などでウイルスが再活性化され発症します。
通常痛みを伴う赤み(紅斑)や水ぶくれ(水疱)が帯状に神経分布領域に沿って出る疾患です。皮疹が出現する数日前より、半数程度は前駆痛といって、先に痛みが先行する場合もあり、整形外科などを先に受診する場合もよくあります。
生涯で3人に1人が罹患するといわれ、神経痛が長く残る帯状疱疹後神経痛(PNH)が起こることもあります。50歳以上になると発症率が上がってきますので、50歳以上の方に予防として帯状疱疹ワクチンを接種することもお勧めします。2014年の水痘ワクチンの定期接種化により、水痘の報告数も減っていますが、乳児~小児でも帯状疱疹を発症することはありますので、お子さんでも症状があれば早めに受診してください。
帯状疱疹の症状とは?
皮疹は紅斑から始まり、水疱、膿疱、びらん、潰瘍になることもあります。ひどい場合はびらん、潰瘍といって瘢痕を残す場合があるため、発症早期の治療が皮膚に瘢痕を残さないためにも重要になります。
帯状疱疹の治療は?
抗ヘルペスウイルス薬(バルトレックス、ファムビル、アメナリーフと3種類あります)を1週間内服するのですが、発症から出来るだけ早く(2日以内が推奨されています)飲むことがポイントです。
痛みを伴う帯状の発疹が出てきたら早めに皮膚科を受診してください。通常痛みもありますので、カロナールやロキソニンなどの痛み止めも内服し、水疱など皮疹がある際には炎症を抑える塗り薬も処方しています。
神経痛のみではなく、運動麻痺を伴う場合や、顔や頭皮にできる場合は入院加療(点滴での治療)を検討する場合もあります。症状が重症な方や顔や頭皮に出現している方は三日後の受診、通常の帯状疱疹の方には1週間後の再診となります。
帯状疱疹後神経痛(PNH:postherpetic neuralgia)とは?
神経障害性疼痛といって、刺激には依存しない自発的な疼痛「自発痛」や通常では無害な軽微な機械的刺激(触刺激)により惹起される痛み「誘発痛」という種類の痛みといわれています。「しびれる」、「電気が走るような」、「風に衣類が当たったりするだけでも激痛が走る」などといわれ患者さんのQOLが非常に障害されます。適切に抗ウイルス薬の内服加療をしたにもかかわらず3ヶ月後に疼痛が残っていた割合が約12%、1年後で4%という報告もあります。PNHが残りやすいリスクファクターとして高齢や、初診時に重症の皮疹、初診時に強い痛み、治療開始の遅れ、基礎疾患がある、などがあります。小児ではほぼPNHはみられません。PNHの発症率を下げるという意味でも帯状疱疹ワクチンは50歳以上に推奨されています。

尖圭コンジローマ

ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)6型、11型などによって外陰部にざらつきを伴う小さなイボが多発する性感染症の1種で、潜伏期は2~3か月といわれています。外陰部だけではなく肛門部周辺にできることもあります。婦人科や泌尿器科から皮膚科は液体窒素があるので紹介してもらうことも多いです。
治療としてはイボと同じく、液体窒素治療が基本になってきます。個数が多いものに関してはベセルナクリーム(イミキモドクリーム)を週に3回寝る前に塗布し、朝シャワーで流す、という治療が16週間まで保険適応になっています。かぶれることが多いため、使い始めは注意が必要な治療です。液体窒素と併用すると治療が効果的なことが多いです。個数や大きさ、難治な症例には手術を選択する場合もあります。また性感染症のためパートナーも症状がないかチェックしていただき、必要があれば一緒に治療をしていだくことになります。Bowen様丘疹症というHPV-16のタイプのものもあり、治療は通常尖圭コンジローマと同様になります。

梅毒

体や四肢にかゆみの伴わない赤い斑点のようなもの(梅毒ばら疹)や手掌にがさがさした皮疹、陰部に潰瘍など様々な症状が出る性感染症で、近年増加傾向にあります。梅毒トレポネーマによる感染症で、潜伏期間は10~90日(平均3週間)といわれいます。梅毒侵入部位に一致して硬い小丘疹が出現し、次第に潰瘍化(初期硬結)といいます。その後所属リンパ節が腫れますが痛みなどの自覚症状がなく、気づかれないまま3週間ほどで自然消退する(第一期梅毒)ため、その後全身に播種され、第二期梅毒に進行する場合もありますので注意が必要です。第二期になると梅毒性ばら疹という5mm~2㎝ほどの淡い紅斑が全身に多発し、この段階で皮膚科に受診される方も多いです。通常かゆみなどの自覚症状はありません。
治療としては以前はアモキシシリン(商品名サワシリン)というペニシリン系の抗生剤を4~8週間ほど内服するのが主流でしたが、日本でも2022年に「ステイルズ」という筋肉注射が保険適応になり第二期梅毒までは1回の注射で治療が終了します。当院でも在庫がある場合は当日注射できます。ペニシリンアレルギーがある方は打てません。
症状から梅毒が疑わしければ、採血が確定診断になります。保健所などでも無料で採血をしている場合もありますが、症状がある際にはご相談ください。

単純性血管腫(毛細血管奇形)

出生時から生涯持続する自然消退しない真皮浅層での毛細血管の拡張です。一般的に赤アザといわれています。通常、乳児のできるだけ早い時期から治療開始したほうが治療の成績はよいです。現在は出生0か月児でも治療を開始します。3か月おきの保険でのレーザー治療ができるため、根気よく回数のかかる治療にはなりますが、治療を重ねるごとに赤色の色素が消退していきます。大人になってからでも勿論効果はありますが、肌が薄い乳児期からのほうが良いです。
レーザー直後からその後数週間程度は紫斑といって内出血が起こりますが、レーザーが効いている証拠でもあります。カバーメイクなども成人の場合はありますので、適宜併用するといよいです。
額や眉間の真ん中にある淡い赤アザをサーモンパッチといいます。自然消退することもありますが、自然消退しない場合もありますので、2歳を超えても自然消退しない際には一度ご相談ください。また首の後ろにある赤アザをウンナ母斑といいます。こちらは自然消退しにくいので、Vビーム治療が望ましい場合もあります。
当院は保険診療で単純性血管腫の治療を当日行えます。極端な日焼けをしている際には治療成績が落ちることがありますので、Vビーム治療前後は日焼けにも注意しましょう。
また保険診療ですが、アザの範囲によって治療の値段は変わってきますが約8,000~33,000円程になります。18歳以下(高校生終了時)までは東京都在住の方は医療費無料ですのでご負担はありません。都外でも申請すればその後医療費が返還される制度がある市町村が多いです。
赤アザはまだ治療ができるということを知らなかった、という方も多いですので、お気軽に赤ちゃんから大人の方までどなたでもご相談ください。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

ADMは主に10代後半や20代の頃から両頬に主に出てくる褐色や灰白色の色素班で、茶色っぽく見えるものや、やや青みがかっていることもあります。鼻翼やこめかみ、おでこの外側にできる人もいます。ADMは後天性真皮メラノサイトーシス(Acquired Dermal Melanosis)の略で、通常のシミ(老人性色素斑)とは違い、メラノサイトがいる層が深い=真皮にあることが特徴です。メラノサイトといって色素を作る細胞が「真皮」に「異常分布」しており、通常のシミより深いところの真皮にメラノサイトがあるため、治療回数もしみとは違い、2~5回ほどの回数がかかります。通常3~半年程度の期間をあけて何回か照射しますが、2回ほど打つと改善の効果を実感できることが多いです。保険診療では3ヶ月+1日あけないと2回目の治療ができませんが、半年ほど待ってもよい場合もあります。
太田母斑同様、真皮にあるアザの一種のため、保険適応で治療ができます。太田母斑の約10倍ほどの発症率といわれ、アジア人女性に多いアザになります。
当院採用のピコシュアの755nmという波長はADMに効果が高く、レーザー後の炎症後色素沈着も抑えられる機種になっておりますので、はっきりしたタイプのADMがありましたら、ダーモスコピーを使用してしっかりと診断、治療を行います。
ADMと肝斑(べたっとしたしみ)が合併していることもあります。症状によって適宜どちらから治療をするか相談することになりますが、若い方は肝斑合併例は比較的少ないです。40~60歳代のADMの方は肝斑を合併していることもあり、レーザー照射には注意が必要なこともあり、肝斑の内服、外用の治療から開始する場合もあります。
照射範囲が広く痛みに弱い方は1時間ほどペンレステープという麻酔のテープを貼ってから照射できますので、お時間に余裕をもってご来院ください。
美容皮膚科などで「肝斑といわれた」、「その他の機械で治療され、改善せずに皮膚科に来たらADMの診断だった」「保険適応で治療できると知らずに高額なお金を払って美容皮膚科で治療してしまった」、ということは日常診療でよくありますので、皮膚科医としての経験がないとしっかりとした診断、治療が難しい疾患になります。ご相談ください。

料金

保険適応(範囲による)
約6,000~12,000円程度
禁忌
妊娠中、日焼けをしている方、日光・光線過敏症の方

円形脱毛症

円形脱毛症は後天的に突然円形の境界明瞭な脱毛班が発生する、若年者に好発する疾患ですが、どの年齢層でもみられます。単発で範囲の少ないものは半数程度は自然に軽快することもありますが、多発している場合や広範囲の脱毛の場合は治療が長期化し、治療に難渋することもあります。
背景に貧血、甲状腺疾患、膠原病、亜鉛欠乏、梅毒などが原因のこともあり、初診時には原因検索として採血を行うこともあります。またトリコチロマニアなどの抜毛症や瘢痕性脱毛との鑑別でダーモスコピー(拡大鏡)を診断に使用します。アトピー性皮膚炎と合併する例もよくあり、その際には抗ヒスタミン薬の内服を検討します。また一度軽快しても再発する場合も円形脱毛症の場合はよくあります。
治療としてはステロイド外用やステロイド(ケナコルト)の局所注射、フロジン液の外用、エキシマなどの紫外線療法が主になります。エキシマは副作用もほとんどなく、治療時間も短いため、治療の良い選択肢です。ばらばらと髪が抜けるような急性増悪時にはステロイドの内服薬や注射薬(パルス療法)を検討する場合もあります。脱毛範囲が頭皮全体の50%以上になるような重症例ではJAK阻害薬のオルミエント、リットフーロカプセルなどの内服治療薬も保険適応になっており、その際には総合病院に紹介させていただきます。導入には胸部X線や胸部CT、ウイルス性肝炎を調べる血液検査などが必要になります。
円形脱毛症は「急性期」といって発症初期の方が治療の効果が高いことが分かっています。適切な治療を提案させていただきますので、症状に気づいた際にはお早めにご相談ください。

尋常性白斑

尋常性白斑とは、皮膚の境界が明瞭に白抜けする疾患です。白斑が髪の毛や眉毛などの毛髪部に生じると白髪になります。見た目上「皮膚が白く抜ける」ため、患者さんのQOLも大きく障害されます。全人口の0.5~1%が罹患しているという報告もあります。
尋常性白斑とは、皮膚の基底層に分布するメラノサイト(色素を作る細胞)が何らかの原因で減少、消失する後天性の病気です。メラノサイトは紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素を産生しますが、その減少、消失により皮膚の色が抜けていきます。
現在のガイドラインでは3型に分類されます。

  1. 非分節型:神経支配領域とは関係なく生じる。全身型、混合型、汎発型が含まれる。
  2. 分節型:神経支配領域に一致して片側性に生じる。
  3. 未分類型:限局型と1病変のみの粘膜型が含まれる。
白斑の原因は?
まだ正確な発症原因は不明ですが、メラノサイトをなんらかのきっかけで攻撃してしまう自己免疫疾患なのではないかといわれています。アトピー性皮膚炎や円形脱毛症、甲状腺疾患などの自己免疫疾患や糖尿病と合併することもあります。また加齢ともに、メラノサイトの機能が落ちてしまう、「老人性白斑」も高齢者の四肢や体幹には多くみられますが、これは加齢性変化によるもので治療効果も乏しいため経過観察することが多いです。
白斑の治療は?
ステロイド外用は病初期の白斑に対しては有効なこともありますが、時間が経過している白斑には効果はほとんどありません。ステロイド外用は長期間の外用で副作用が出ることもあるため、非ステロイド外用薬であるプロトピック軟膏が使用されることもあります。外用薬の効果がない、もしくは不十分な際には、紫外線治療という選択肢があります。当院にはナローバンドUVBとエキシマがあります。
広範囲の白斑の方にはUVBを、分節型や小範囲の白斑の方にはエキシマをお勧めしています。1~2週間に1回を継続し、徐々に色素の再生が見られることが多いです。
メイクで隠すカバーメイクという方法やメディカルアートメイクなどの方法もありますが、当院には採用しておりません。

虫さされ(虫刺症)

虫さされによる湿疹(虫刺症性皮膚炎)は1年中起こりえますが、通常夏に多く起こります。蚊、ブヨ、アブ、ハチなどの昆虫から刺されて生じる皮膚炎のことを虫刺症といいます。刺された直後から痒みを伴う膨疹や紅斑が出現し、1~2時間で軽快する即時型と、刺されて1~2日で赤みや、水疱、丘疹などがみられる遅延型反応があります。
治療はステロイドの塗り薬、痒みには抗ヒスタミン薬の内服が治療になります。
ハチに刺された場合は、アナフィラキシーショックが起こることがあるため、注意が必要です。ハチに刺されてハチに対する抗体(スズメバチ、ミツバチ、アシナガバチに対するIgE抗体)ができている方にはエピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方します。
皮膚科では「チャドクガ皮膚炎」という毛虫皮膚炎も有名です。ドクガ、チャドクガ、モンシロドクガなどの幼虫(毛虫)の毒針毛が皮膚に刺さることで生じます。こすらずに水で洗い流すか、テープなどで毒針毛を除去し、ステロイド外用などを行います。
夏は「マダニ」も増えます。吸着しているマダニを無理に引っ張らずに、皮膚科で切除もしくは独自の道具を使い、マダニを皮膚から除去し、ライム病発症予防のための抗生剤を内服する必要があります。

ほくろ

ほくろは誰にでもある良性の皮膚腫瘍で、医学名は「母斑細胞母斑(色素性母斑)」といいます。未分化なメラノサイト系細胞である「母斑細胞の増殖」により起こる良性腫瘍です。
生まれつきあるもの(先天的な)と、あとで出現する(後天的な)ほくろがあります。また平坦なものから、盛り上がったもの、茶色のものから黒いものまで様々です。時には毛が生えたり、表面がでこぼこすることもあります。
「ダーモスコピー」という拡大鏡で「悪性黒色腫(メラノーマ)」などの皮膚悪性腫瘍の「悪性所見」がないかをチェックします。悪性を疑う所見は、「長径6mmを超える掌蹠(手のひら、足の裏)の病変」、「辺縁が境界不明瞭」、「非対称性」、「色調多彩」、「表面隆起」などの所見です。
いつのまにかできたホクロが大きくなり、色の濃淡がある、左右が非対称ではない、境界が不明瞭、傷ができて治らない、などは悪性のホクロの可能性があり、早めに皮膚科専門医にご相談ください。

ほくろの切除方法は?

主に「切除(メスやパンチで切り取る方法)」と「ラジオ波での焼却」の2種類になります。検体を採取し、悪性かどうかを病理組織で判断する場合は、基本的には切除のみになります。
平坦なほくろや、盛り上がりが少なく、明らかに良性のため、検体を取らなくてもよいような場合はラジオ波で削っていく方法でも可能です。ラジオ波で削ると抜糸をしなくてもよいメリットはありますが、「真皮内母斑」といって深いところにまでほくろの細胞があると、時間が経過すると、ほくろの色素が再発するリスクが高くなります。
メスやパンチでの切除の場合は、縫合した手術痕が残るリスクがありますが、時間経過とともになじんでいくことが多いです(特に顔や首の場合)。体や四肢は基本的に顔や首よりも手術の瘢痕が残りやすい部位になります。
3mmほどの傷の場合は、縫合しなくても赤みが1~2ヶ月は続きますが、縫わなくてもよいことが多いです。数mm以上になると切除のほうが傷跡も綺麗なこともあります。

生まれつきの先天的な巨大母斑などは時に2期的切除といって手術を2回に分けて紡錘形に切除をする場合もあります。半年おきなどに行います。

それぞれのリスクや副作用、注意点は?
  • 手術時にキシロカインという麻酔を使うので、必ず局所麻酔薬、抗生剤のアレルギー歴は確認させていただきます。キシロカインアレルギーの既往がある方は当院では手術をしておりません。
  • 当院ではB型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV感染症の方の手術には対応しておりませんので、感染症歴がある方は総合病院にご紹介になります。感染の有無を確認するために、感染がある可能性がある方は必ずお申し出ください。術前感染症採血検査の結果が出てから手術を行います。
  • 手術はどんなに小さい手術でも瘢痕(傷跡)、肥厚性瘢痕というケロイドになるリスクがあります。ケロイド体質の方は必ずお申し出ください。
  • 手術は基本的には妊娠中には行いません。
保険適応で取れるほくろは?

悪性腫瘍が疑われる、視界に入って邪魔になる、ヒゲを剃るときに引っかかる、顔を洗うときに爪がひっかかって血が出る、醜形を来している等の医学的に切除が必要な場合に保険適応で手術ができます。
美容的なご本人希望のほくろは自費診療での切除になりますので、ご了承ください。

  • 受診当日に予約なしで切除可能です。
  • どの部位でも切除可能です。部位・大きさにより手術方法は変わります。最良の結果が出る方法を選択いたします。
  • 手術当日から洗顔・入浴は可能です。
  • 手術翌日からお化粧可能です。傷口に茶色いテープを直貼りするので、それほど目立ちません
  • 縫った場合は、顔や首などは5~7日間、体は7~10日後で抜糸します。部位や大きさによりますので、手術前にご説明いたします。
  • 傷の確認のため、手術翌日に通常の場合は再診していただきます。

~治療の流れ~
診察→記録写真撮影→局所麻酔→手術→圧迫止血+ガーゼ保護→会計、帰宅の流れです。

できもの

皮膚科には様々な「できもの」を主訴とする患者さんがいらっしゃいます。主なできものについて述べますが、皮膚に何かある、という場合は皮膚科専門医にご相談ください。
当院にはエコーやX線検査の設備がありませんので、必要時には総合病院にご紹介させていただきます。ほくろや粉瘤などが最も頻度の高い皮膚良性腫瘍ですが、「脂肪腫」も頻度の高いできものになります。ときに痛みを伴うタイプの脂肪腫「血管筋脂肪腫」ができることもあります。急速に増大する場合以外は通常は良性のことが多いですが、見た目や日常生活で圧迫されたりしてQOLに支障が出てきます。増大傾向の場合は早めに取るという選択肢も検討してもよいと思います。脂肪腫は大きいものになると術後の圧迫などが非常に大切になってきます。大きい脂肪腫に関しては総合病院にご紹介していますので、ご相談ください。
また幼少期から顔や体にできる硬い石ころのようなできものが「石灰化上皮腫(毛母腫)」といわれるものです。子供に粉瘤が出来た、と思って診察にいらしても、切除すると石灰化上皮腫だった、というケースが多いです。外科的に切除するしかないため、お子さんが局所麻酔に耐えられ、じっとベッドでできるようになったら手術を検討してもよいかと思います。

また顔に白~黄色のできもので「脂腺増殖症」という中央に軽度陥凹を伴うできものができることがあり、手術で切除すると傷跡になるリスクが高いため、内服が出来る方は自費のイソトレチノイン(ビタミンA誘導体)で縮小、消失することもあります。脂腺増殖症は早ければ30代以降など、年齢とともに出現することが多いです。

また目の下にできるできものとして「汗管腫」という夏に悪化するべたっとした淡い褐色から肌色のできものができることがあります。治療は一筋縄ではいかず、難しいこともありますが、少しずつ切除する方法もあります。目の周囲に黄色い脂肪のようなできものがたまる「眼瞼黄色腫」も中年の方を中心にみられます。脂質異常症(高コレステロール血症)を合併していることもありますが、基礎疾患がない場合もあります。上眼瞼の内側によくできます。脂質異常症の内服薬もしくは外科的な切除になります。

四肢に表面が褐色になり、硬くなる結節を「皮膚線維腫」といいます。まれに増大傾向で悪性を伴う場合もあるため、その際には切除を検討してもよいです。外科的にも切除は可能ですが、四肢は比較的手術の傷跡がしばらく目立つ場所になります。
「神経線維腫」「軟性線維腫」「神経鞘腫」という皮膚の柔らかいできものや、「毛細血管拡張性肉芽腫(ボトリオ)」といわれるものもよく外来ではあります。
また爪の下に出来るできる「爪下外骨腫」や爪の周囲にできる「爪囲線維腫」などもあります。
頭皮や陰部にできるできものもあります。
「これなんだろう?」という皮膚のできものを放置せずに、一度診察にいらしてください。

日焼け

過度の日光暴露(主にUVB)により、赤くなり、ひどいと水ぶくれを形成するのが日焼け(日光皮膚炎)という状態で、夏に起こります。日光暴露の数時間後に赤み(紅斑)が出現し、次第に浮腫状になります。夏の海水浴などのレジャーで日焼け止めを塗っていなかった際によく起こります。発症後12~24時間をピークに軽快しますが、色素沈着やかさぶた、時に色素脱失になることもあります。熱傷に応じた治療が必要となり、ステロイド外用薬などで治療をします。
夏のレジャー時などは2~3時間おきにSPF50以上の日焼け止めを塗りましょう。また物理的な防御も非常に大切になりますので、必ずラッシュガードや帽子、日傘などで日光曝露から守るようにしましょう。日焼けをした際にはやけど同様冷やすことも有効ですが、早めに皮膚科を受診してください。

巻き爪(陥入爪)

陥入爪とは爪の外側(側縁)が食い込み、赤みや腫れが出てしまい、痛みが出てきてしまうものです。細菌感染や反応性の肉芽(毛細血管拡張性肉芽腫)を併発することもよくあります。
爪の変形を伴うものに関しては巻き爪の矯正が必要になります。当院は自費治療ですが、巻き爪マイスターという矯正器具を使用し、治療します。また爪の食い込み部分を切除する保険の手術も当院では即日行っています。テーピングなど方法で完治しない際には、食い込み部分を早めに切除したほうが治りが早いことが多いです。

料金(税込)

巻き爪マイスター+リネイルゲル 16,500円
巻き爪マイスターのみ 11,000円
後日リネイルゲル追加 8,800円